白昼夢

目を瞑ると岡山の風景がみえる。
遊びに行きたいけど行けない。岡山のことを思い出すと悲しい気持ちになる。夢を見ていた。昼間の岡山の空を見ていた。いつだってさみしかった。お母さんに会いたかった。
もしもできるならいらない記憶なんて 全部消えてしまえばいいのに、そのぶん自分の覚えられることの容量が増えれば、最高なのに。私の育った街ってどこだっけ、私はどこで何をしてきたっけ、大事なこともつらいことも全部消え去ってほしい。
私はいろんなことを知って臆病になった。知らない という選択をするのが正しいときもあると、思う。でも全部消えてしまったら、私はまたすべてを知りたがるようになるんだろう。私はいったい何が欲しいんだろうか、失敗から学んだ大事なことすら手放したいと思ってしまう。からっぽになりたいという願望が消えない。恐怖が消えない、いつも怖い、怖くて、怖くて、さみしくて。最初から何も知らなきゃよかった。孤独に早く慣れたいと思う。